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産後エクササイズ

産後のエクササイズといえば、通常、産褥体操を指すことになろうが、ここでは、褥婦期を超えた時期での、すなわち妊娠可能期間に再度入った時期でのエクササイズについて考えてみたい。

褥婦期を超えた時期での女性の体内環境は、ほぼ正常な範囲に戻っている。しかし、乳児を育てるための体内環境は、出産前とは異なっていることは、プロラクチンなどの乳汁促進ホルモンの変化などから明らかである。

この時期は、乳児という新たな生命のケアと母体の体力回復の両方をうまく両立した生活設計が必要となる。母体の体力回復面で有用なのがエクササイズだが、出産の後遺症がまだ残っている時期なので無理なエクササイズは逆効果となりうる。特に、骨密度が少なくなっている状態では、負荷の大きなエクササイズは骨折のもとになる。このような観点から進められるエクササイズは、スイミングである。乳児の世話を通して肩こりや腰痛持ちになることがよくあり、その予防としてもスイミングは最適なエクササイズである。スイミングは体にできるだけ負荷をかけずに、身体全体の緊張した筋肉をほぐす全身運動であるが、それだけにとどまらず、気分を開放的にさせる効果もある。まさに心身の健康に資するエクササイズなのである。もっとも他のレーンで遊泳する者を意識して、競泳になってしまうと、快適なエクササイズがかえって苦行になってしまうので、長続きさせるためにも、ぜひゆったりとした気持ちで行っていきたい。

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産褥ショーツ

褥婦は、出産後から、褥婦固有の体内環境になり、体外へ流出ないし排出するものが、尿便以外に、主として乳汁および悪露が加わる。

出産直後は、個体差があるものの、一定量の乳汁および悪露が出る。乳汁の場合、乳児が必要とするときに必要な乳量が機械的に出るというわけにはいかないので、ちょっとした日常の動作で乳汁が漏出して、衣類を汚す場合がある。そのような場合に備えて、通常、褥婦は、産後マタニティーブラジャーをつける。また、産後直後は、体内に残った羊水や悪露の流出がしばらく続く場合があるが、衣類の汚れ防止とともに、患部の感染予防の意味で、産褥ショーツを身につけるのが通例となっている。

ところで、市販の産褥ショーツを選ぶ場合には注意すべき点がある。産褥ショーツは、出産後の体力低下や抵抗力に伴う細菌などの感染を予防する意味から、直接患部にあたる部分を含めたショーツの内側が、抗菌剤添加の化学繊維を使ったものがある。出産前の生活環境で、主として下着に化学繊維を使ったものを利用してきた者にとっては、化学繊維を内側に使った産褥ショーツには何の抵抗もないことだろう。しかしながら、産後は、細菌の感染もさることながら、化学物質の皮膚経由の流入は極力抑えることが必要である。というのも、細菌の感染は、基本的には乳汁を通して乳児に感染することはないが、化学物質は同じ経路から乳児の体内に入り、乳児の生育過程で皮膚疾患などとなって現出する場合があるのだ。

こういった意味で、産褥ショーツは、内側が綿のものを選びたい。

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産後骨盤矯正

産後は骨盤底の筋肉が弱くなるため、重度の場合、矯正治療が必要となる場合があるが、その程度に至らない場合には、骨盤矯正は産褥体操が有用である。特に、ケーゲル体操が、骨盤底の筋肉を強める運動として知られている。ケーゲル体操は、背筋を伸ばして立って、軽く何かにつかまった状態で、肛門、膣、尿道を一緒に持ち上げるようにし、リラックスする、ということを繰り返して行う局所体操である。骨盤矯正には、ケーゲル体操を含めた産褥体操を行うことが効果的である。

ところで、産褥体操には、以下に上げるような効果がある。悪露の排出を促し、子宮収縮を促進する。妊娠や分娩によって伸びた腹壁および骨盤底筋肉の回復を促す。分娩後の筋肉痛を軽減する。心身のリラクゼーションを図る。血液の循環を促し、下腹部臓器のうっ血を防ぎ、静脈瘤や血栓の形成を予防する。乳汁分泌を促す。姿勢を修正し、腰痛や背部痛などの予防と軽減を図る。

産褥体操を開始する時期は、分娩後12時間ほど経過した時点で、褥婦の疲労が回復していることを確認してから開始することが大切である。また、一つの運動を最初は5〜6回繰り返し、徐々に回数を増やしていく。また、毎日継続して行うことが回復を促進させることにつながるため、褥婦を看病する周囲の者が褥婦を励ましやることが望ましい。

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産後ケア

産後の褥婦のケアに関しては、個人的に、褥婦の生理的変化に関して周囲の者がある程度の専門的知識を持つ必要があると考えている。というのも、専門的知識を持つことで、余計な不安から褥婦を開放することが可能であるし、また、適切な医療を受けるに当たって時宜にかなった行動を素人でも取れるようになるからである。分けても、近年では、地方の産科医院が減少する中、家庭内ケアとしてますます褥婦に関する知識の啓蒙が必要となってきている。

さて、そこで、産後ケアを考える前提としての、褥婦の生理的変化についてみてみよう。

褥婦の生理的変化には、次のように大きく分けると、5つの変化がある。すなわち、子宮の復古、悪露、乳房の発達、全身的変化およびホルモンの変化である。このうち、全身的変化では、体重の大きな減少、脈拍や血圧などの循環器系の変化(産褥徐脈という脈拍が弱くなりやすい)、体温の変化(産褥4日目頃までは37.5℃程度の熱が続く)、泌尿器系の変化(分娩終了直後は、膀胱の筋肉の緊張が低下することなどが原因で、排尿障害、残尿がみられることがあり、また、約半数の褥婦に尿タンパクの増加がみられる)、消化器系の変化(便秘になりやすい)といったものが現れる。

また、ホルモンの変化として各種ホルモンの変化が上げられ、また、月経の復活がある。

産後ケアとしては、知識だけでなく、実際に行動を通して褥婦に安心感を与えることが大切である。とりわけ、マタニティーブルーに陥った褥婦に対する精神的ケアが必要となる。

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産後うつ

産褥期とは、分娩終了後の、子宮・産道・悪露の回復から妊娠可能な身体に戻るまでの期間をいう。通常、その期間は6〜8週間である。この期間にある女性を褥婦という。また、この期間は、乳房の発達など新たな身体の変化を伴い、妊娠期に比し、激しい変化に順応することが必要となる。まさしく、産褥期は、「母親」への移行期なのだ。

このような変化の一つに、体内のホルモン環境の急変が上げられる。ホルモン・バランスの急激な変化は、この変化は心理面に大きく影響することが知られている。具体的な症状としては、自分に自信がなくなる、意味もなく落ち込むなど精神状態が不安定になる。これが、産後うつ、いわゆるマタニティーブルーである。産後うつは、産褥4日目の抑うつ症ともいわれ、褥婦の約50%にみられる症状である。

産後うつは、初産婦に多く、産後3〜10頃に現れ、通常2週間ほどで消失する。原因は、上記でも触れたように、ホルモンの急激な変化とされているが、精神状態によって出現の度合いが変わってくることが知られている。とりわけ、神経質な人、几帳面な人、育児や家事に夫や家族の協力が得られない人、夫婦間に問題がある人によくみられることが知られている。

褥婦の心理的変化は、専門的には3期に分けられ、そのうち、産後うつは、2期目の保持期(taking-hold phase)に当たる。この時期は、他者への依存性が薄れ、自分で行動を始める時期に当たる。平常時に比べて、精神的バランスがとりにくい状態にある、産後うつのケアは、夫など身近な人の社会的責任であろう。

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